ニュージーランドの主な世界遺産

ニュージーランドは北島と南島にわかれていますが、それぞれの島に魅力的な世界遺産があり、多くの人を魅了しています。火山と氷河がうみだしたダイナミックな自然景観は、まさに一見の価値あり。

遊覧飛行やクルーズ、ハイキングなど、あらゆる角度から、その全貌をお楽しみください。

国内最高峰マウント・クックを訪れる

南島の世界遺産は、4つの国立公園を含む広大なエリアで、「テ・ワヒポウナム」という総称がつけられています。これはマオリ語で「ポウナム(グリーンストーン)がある場所」という意味で、マオリの人々が昔から、このエリアでグリーンストーンを採取していたことに由来します。

「テ・ワヒポウナム」の4つの国立公園に共通するのは、いずれも氷河の影響を受けた地形であることです。なかでも国内最高峰の山、マウントクック(3724メートル)を擁する、アオラキ・マウント・クック国立公園は、敷地面積の約40%を氷河が覆っており、間近に氷河を眺められる場所として人気です。

U字型の氷河谷、フッカーバレーをハイキングすれば、マウント・クックの勇姿はもちろん、ミューラー、フッカーの2つの氷河が見られますし、山々の斜面にはりつく懸垂氷河や、大小の氷塊が浮かぶ川など、日本では見られない不思議な風景を楽しめます。また、国内最大の氷河、タスマン氷河のふもとでは、世界でも3ヵ所しか行われていない、貴重な「氷河湖クルーズ」が体験できます。

ニュージーランドが誇るフィヨルドの海へ

アオラキ・マウント・クックと並んで、旅行者の人気を集めているのが、フィヨルドランド国立公園にあるミルフォード・サウンドです。ここはサザンアルプスの氷河が海に流れつき、さらに移動を続けたことで形成されたフィヨルドの海。海の底から険しい山がはえてきたようなミステリアスな風景は、見るものを圧倒します。

ミルフォード・サウンドのクルーズでは、入江の両岸に壁のようにそびえる山々や、そこから流れ落ちる滝、奇岩の数々を眺められます。また運がよければ、岩の上でくつろぐペンギンやオットセイ、船を先導するように泳ぐイルカたちにであえることも。ぜひ、神秘の海に暮らす、愛らしい住人たちをお見逃しなく。

ミルフォード・サウンドでは、カヤック体験ツアーも行われており、こちらも人気のアクティビティです。また時間がある方は、ぜひクルーズ船で一泊するオーバーナイト・クルーズに参加しましょう。夜更けには、静寂の中、デッキに寝転んで空いっぱいにひろがる星空を眺められますし、朝焼けと野鳥の歌声で目覚める贅沢な朝も経験できます。

青く輝く氷河の上でハイキング

南島の西海岸に面するウエストランド・タイ・ポウティニ国立公園には、「双子の氷河」と呼ばれる、フランツ・ジョセフ氷河とフォックス氷河があります。温暖化により、世界中の氷河が後退している中で、今もその距離を伸ばしているという、非常に珍しい氷河です。

フランツ・ジョセフ氷河、フォックス氷河では様々なツアーが行われています。ヘリコプターやセスナ機で氷河を見渡す遊覧飛行もありますし、氷河の末端から、ガイドとともに氷河を登っていくハイキングツアーもあります。またヘリコプターで氷河の上部に着陸し、そこからさらにハイキングを楽しむツアーもあります。何千年もの時を経た青い氷が、日の光をあびて輝く様子は、日本では決して見ることのできないもの。一生の思い出として、心に刻まれることでしょう。

フランツ・ジョセフ氷河のベースとなるビレッジは、ウエストランド・タイ・ポウティニ国立公園内を走る国道6号線沿いにあり、宿泊施設やレストラン、バー等も充実し、大きな温水スパプールもあるため、氷河ハイキングの疲れを十分に癒すことが出来ます。また、そこから南西へ約25キロ進むと、フォックス氷河のベースとなるビレッジがあります。こちらはフランツ・ジョセフのビレッジよりは小さめで、おちついた雰囲気です。

北島の世界遺産、トンガリロへ

南島の世界遺産、「テ・ワヒポウナム」が、氷河が生み出した地形であるのに対し、北島の世界遺産、トンガリロ国立公園には、火山が生み出した地形です。園内にはトンガリロ、ナウルホエ、ルアペフの3つの火山がそびえており、その合間をうめるように、巨大なクレーターや火山の泥流の跡、さらにはエメラルドグリーンの水をたたえた湖など、摩訶不思議な風景が広がっています。園内にはトレッキングコースがのびており、日帰りのハイキングから宿泊を要するトレッキングまで楽しめます。みずみずしい森から、よその惑星を思わせる荒涼とした砂礫帯まで、非日常の景観を楽しみましょう。また、トンガリロ周辺は北島随一のスキーエリアでもあり、冬(6~10月)には、スキーやスノーボードが楽しめます。

トンガリロ国立公園は、マオリの人々にとっての聖地です。この土地が国立公園となったのは1887年のことで、ニュージーランドでは最古、世界でも4番目に古い国立公園として知られています。しかし、その成り立ちは、純粋な自然保護の精神から設立されたものではなく、当時のニュージーランドでは、ヨーロッパ入植者による乱開発が行われていたため、マオリの首長が自分たちの聖地を守る手段として、土地を寄進して国に管理を求めたという背景があります。こうした歴史をふまえて、トンガリロ国立公園は1990年、世界自然文化遺産として登録されました。訪れる際はマオリの人々の信仰に敬意をはらい、立ち入り禁止区域に入らないようお気をつけください。