FlyNeutralに関するよくあるご質問

ノーベル賞を受賞した気候変動に関する政府間パネル（IPCCとも呼ばれる）によると、航空業界は世界の二酸化炭素（CO₂）総排出量の約3％を占めています。

温室効果ガスはカーボンだけではありません。温室効果ガスは主に7種類あります。

• 主に化石燃料の使用から発生する二酸化炭素（CO₂）
• 主に動物や廃棄物から発生するメタンガス（CH₄）
• 主に農業で発生する亜酸化窒素（N₂O）
• 主に冷却剤から発生するハイドロフルオロカーボン（HFC）
• 主に電力産業から発生する六フッ化硫黄（SF₆）
• 主にアルミニウム製造から発生するパーフルオロカーボン（PFC）
• 主にシリコンウェハー、液晶ディスプレイ、シリコン太陽電池の製造から発生する三フッ化窒素（NF₃）

通常、すべての温室効果ガスは二酸化炭素換算量（CO₂-e）で表されます。この二酸化炭素換算量とは、様々な温室効果ガスの排出量を地球温暖化係数に基づいて同等の二酸化炭素の量に換算して比較する測定基準です。たとえば、メタンガスの地球温暖化係数は25、亜酸化窒素では298となります。つまり、メタンガスと亜酸化窒素100万メートルトンの排出量はそれぞれ、2,500万メートルトンと2億9,800万メートルトンの二酸化炭素排出量に等しいという意味です。

そのため、カーボン・オフセットでは通常、取引が「カーボン」もしくはCO₂-eで行われます。

空の旅の環境への影響を抑える方法のひとつとして、環境的に有益なプロジェクトから排出削減量を購入する方法があります。

永久林や持続可能な低エネルギープロジェクトにより、カーボンクレジットとして計測可能な排出削減量が発生します。そして、このカーボンクレジットをお客様が購入されると、ご自分のフライトからのカーボン排出分を相殺することができます。

このコンセプトはカーボン・オフセットとして知られています。どなたでもカーボンクレジットを購入することで自分のカーボン排出量をオフセットすることができます。

簡単に言うと、カーボン1トンをオフセットすると、大気中に排出されるはずだった二酸化炭素が1トン減るということです。

カーボン・オフセットを提供するためにカーボンクレジットが使用されています。1カーボンクレジットでカーボン（または同等の温室効果ガス）排出量を1トン削減できます。

カーボンクレジットはニュージーランド国内外のプロジェクトで、カーボン排出量を削減することが検証され証明されたものから発行されています。たとえば、10トンの排出量を削減することが検証されているプロジェクトは、カーボンクレジットを10受け取ることができます。

カーボン・オフセットを行うと、排出するカーボンと同等のカーボンクレジットを購入して無効化することで、カーボン排出量を削減するプロジェクトを支援できます。

カーボンクレジットが無効化されると（一部のレジストリでは「取消される」とも言われます）、そのレジストリでの流通から外され、他の購入者が使用することができなくなります。

環境省は、自主的なカーボンオフセットが信頼性のあるものとみなされるためには次の条件を満たす必要があるとしています。

• 透明性がある
• 実効性があり、計測可能で検証済みである
• 付加的なものである
• 重複して計算されていない
• リーケージへの対処が行われている
• 恒久的である

ニュージーランド航空は、これらの条件を満たすカーボンクレジットを手配しています。

カーボン・オフセットは通常、二酸化炭素換算トン（CO₂-e）で取引されます。カーボンクレジットを1つ購入すると、大気中に排出されるはずだった二酸化炭素（またはそれと同等の温室効果ガス）が1トン減るということです。カーボンクレジットが購入されると、完全に無効化する必要があり、そうすることで流通からそのクレジットが外され、「オフセット」が完了します。

ニュージーランド航空の乗客や法人顧客は、利用するフライトにより発生するカーボン排出量をオフセットすることができます。各フライトの排出量は1座席単位で計算されます。プレミアム・エコノミーとビジネス・プレミアの座席は、機内でより大きなスペースを占めるため、そのフライトから発生するカーボン排出量に占める割合もそれに応じて計算されます。そして、各乗客が料金を支払うことでそのフライトによるご自身の排出量をオフセットすることができます。

ニュージーランド航空では、FlyNeutralを使って自社スタッフの業務中の移動に関連したカーボン排出量をオフセットしています。

FlyNeutralにおいて、ニュージーランド航空での移動による排出量は次の要素を考慮に入れて計算されます。

• 移動距離
• サービスクラス（エコノミー、プレミアム・エコノミー、ビジネス・プレミア）
• 自主的温室効果ガス報告に関してニュージーランド政府の勧めるところに従い、英国ビジネスエネルギー産業戦略省（BEIS）により毎年公開される温室効果ガス会社報告の「排出量換算係数」。この係数は、気候変動に関する政府間パネル（IPCC）第4次評価報告書（AR4）にある地球温暖化係数（GWP）を含みます。

現時点では、航空機が及ぼすCO₂以外の影響については科学的に不確実性が残るため、ニュージーランド航空は個人のカーボン排出量の計算において放射強制力は考慮に入れていません。現在、ニュージーランド航空は英国ビジネスエネルギー産業戦略省による『2018 Methodology Paper for Emission Factors Final Report』で推奨される立場をとっています。その中で、航空機による排出ガスと気候温暖化への影響との関係を表すのに適当な気候測定基準は存在しないとされています。これは現在も研究が行われている分野であり、ニュージーランド航空は継続してこの分野における研究やガイダンスを注視しています。

FlyNeutralにおける排出削減プロジェクトの詳細については、こちらをご覧ください。

ニュージーランド航空がFlyNeutralのために手配したカーボンクレジット料金は、プロジェクトポートフォリオの平均料金を示す混合ポートフォリオ価格で、四半期ごとに更新されます。

排出削減プロジェクトから発行されるカーボンクレジットは次の条件を満たしています。

• ニュージーランド政府の永久林保護制度（ニュージーランドの森林プロジェクトが選択された場合）を順守している
• 承認を受けた第三者認証者により、世界最先端の炭素市場基準（Gold Standardなど）を満たしていると実証、検証済み、かつ次の条件を満たすもの：趨勢型シナリオに付加され、上記基準に照らして承認を受けた第三者の独立機関により認証された測定可能で恒久的な削減を伴う実在のプロジェクトであること。Gold StandardやCDM Standardを含む一部の基準は、排出削減プロジェクトにおいて持続可能な開発も促進しています。

永久林保護制度（または海外プロジェクトについては、第三者による検証と認証が行われた適切な炭素基準）に準拠すると、カーボンクレジットが、承認を受けたレジストリ（レジストリの詳細については以下を参照）で、その排出削減プロジェクト開発者のアカウントにシリアル番号が付与されて発行されます。

ニュージーランド航空のFlyNeutralプログラムにカーボンクレジットを提供するニュージーランドの天然林再生プロジェクトはすべて、Permanent Forests NZ Ltdにより管理、提供されています。

Permanent Forests NZは、温室効果ガス排出量削減において重要な役割を果たす森林の振興と保護を専門とし、気候変動の脅威に取り組むニュージーランドの会社です。

ニュージーランド航空のFlyNeutralプログラムにカーボンクレジットを提供する海外の排出削減プロジェクトはすべて、ClimateCareにより管理、提供されています。

ClimateCareは国際的炭素市場とカーボン削減プログラム管理において20年以上の経験を有しています。ClimateCareは、政府や企業パートナーを代表して数多くの世界最大のカーボンオフセットプログラムを管理しています。

Gold Standardは、ベストプラクティス手法であり、排出削減プロジェクトにおいて持続可能な開発を推進する、カーボン市場の高品質カーボンクレジットラベルです。

いいえ。FlyNeutralで購入されるカーボンクレジットについてニュージーランド航空がマージンを取ることはありませんし、FlyNeutralの運営から利益を得ることもありません。

ClimateCareに対しては、カーボンクレジットの手配と供給、品質に関する顧問サービスやレジストリアカウント管理に関連する管理費をカバーするための少額の料金が支払われます。

FlyNeutralのカーボンクレジットは、カーボンクレジットレジストリアカウントに保持されています。お客様がFlyNeutralでカーボンクレジットを購入すると、そのクレジットが流通から外され、オフセットを完了できます。その場合、そのクレジットは無効化された、または取消されたものとなります（グローバルプロジェクトが登録されている自主的市場レジストリでは「無効化」と言い、PFSIプロジェクトが登録されているニュージーランド排出量取引レジストリでは「取消し」と言います）。この無効化や取消しは四半期ごとに行われます。

ニュージーランド航空ではFlyNeutralで購入されたカーボンクレジットの記録を取り、その無効化や取消しについて毎年監査が行われます。

将来的には、これらのカーボンクレジットが記録されているレジストリは完全に誰でも見ることができるようになり、お客様がカーボンクレジットのシリアル番号やそのクレジットが無効化または取消されたことを確認できるようになります。

カーボンクレジットの無効化または取消しは、該当するレジストリシステムでの流通から完全に外され、オフセットを行うものです。

FlyNeutralでオフセットを行うためにお客様が購入されるカーボンクレジットは四半期ごとに無効化または取消されます。

FlyNeutralでは、ニュージーランド国内のプロジェクトについてはニュージーランド排出量取引レジストリ、海外プロジェクトについてはIHS Markit環境レジストリが使用されています。

IHS Markit 環境レジストリは、炭素、水、生物多様性の自主的レジストリで、体積、レジストリ内の環境基準の数、顧客数で世界最大のレジストリです。2億5000万を超えるクレジットの発行から移行、そして無効化または取消しまでを追跡できます。

業界のベストプラクティスでは、カーボン・オフセットのために購入されたカーボンクレジットはオフセット後12か月以内に無効化または取消されることが求められています。お客様がこれを確実に行えるようにするために、無効化または取消しは四半期ごとに一括で行われます。

いいえ。ニュージーランド排出量取引制度（ETS）の下、ニュージーランド航空は、国内線での燃料使用から発生する温室効果ガス排出量を報告し、その排出量に一致する排出削減ユニット数を政府に提供するように義務付けられています。

ニュージーランド航空では、ニュージーランド排出量取引制度の下で課される義務をすべて順守しており、すべての順守要件に係る費用をお客様に別途請求することなく自費で管理しています。ETSの法的な要求事項の順守はカーボン・オフセットとは分けて行っています。

詳細は、環境省の「Guidance for voluntary emissions offsetting until 31 December 2020」を参照してください。

いいえ。FlyNeutralは、ニュージーランド排出量取引制度とは分けて運用されています。FlyNeutralでオフセット料金としてお客様から受け取る資金は、ニュージーランド排出量取引制度に関連する当社のコンプライアンス費用に使用されることはありません。ニュージーランド航空は当制度で課された義務を順守し、自費ですべてのコンプライアンス要件を管理しています。

当社がお客様にご自分のフライトについてオフセットを行う選択肢を提供している理由には、できるだけ早く大気中のカーボンの量を減らすことが重要であること、また、ニュージーランド排出量取引制度（NZETS）の順守は必ずしもカーボンが大気中から除去されることを意味しているわけではないことが挙げられます。この理由は以下に説明されています。

詳細は、環境省の「Guidance for voluntary emissions offsetting until 31 December 2020」を参照してください。