次世代航空機計画 「Mission Next Gen Aircraft」のパートナー企業を発表

ニュージーランド航空 次世代航空機計画「Mission Next Gen Aircraft」のパートナー企業を発表
2022年12月14日

Eviation、Beta、VoltAero、Cranfield Aerospace

ニュージーランド航空は2026年にスタートする同航空初のゼロエミッションデモ飛行(貨物機または旅客機)に向け、世界最先端の企業4社と協力することを発表しました。

電気、グリーン水素、ハイブリッド航空機に特化したこれらの企業は、今後数年間にわたりニュージーランド航空と協力し、ニュージーランドでゼロエミッション航空機の運用を実現するために必要な技術や関連インフラの開発に注力していく予定です。

今回のパートナーシップでは、ニュージーランド航空が「発注内示書」、すなわち最初に3機、その後は状況に応じて20機を、評価に基づいて1社または複数のパートナーから購入する意思を示す文書に署名します。

ニュージーランド航空の最高経営責任者(CEO)グレッグ・フォランは、パートナー4社を選択した理由として、航空機開発における成熟度および気候変動に対して明確な行動を起こすという共通の目標を掲げていることを挙げています。

「Mission NextGen Aircraftの目的は、単に革新的な企業を1社選んで支援することではなく、ゼロエミッション航空機に携わる幅広い企業と協力し、エコシステム全体の進歩を促すことです。ニュージーランド航空は今後12か月の間にこれらのパートナーのうち1社以上と関係を深め、2026年以降の納品に向けた航空機の購入を目指します」

「2026年以降、デモ飛行を通じた次世代推進技術の研究を重ねることで、いずれ長期的なパートナーが国内線のQ300ターボプロップ機に代わる航空機を提供してくれると期待しています」

「2026年までにゼロエミッション航空機の飛行を実現するのは大きなチャレンジですが、私たちはあるべき姿として、驚くほど野心的に取り組んでいます」

グリーン水素航空機に必要なインフラを深く理解するため、ニュージーランド航空は、ニュージーランドのグリーン水素供給および充填インフラ企業であるHiringa Energy社とも戦略的提携を結びました。

「航空機が主役とはいえ、インフラパートナーも同様に重要です。この提携を通して、商業的なデモ飛行に向けた未来のグリーン水素供給ソリューションを模索します。この2026年の目標を達成するための方策は、2030年代以降、さらなる次世代航空機導入の土台となっていくでしょう」とグレッグ・フォランは述べています。

ゼロエミッション航空技術がニュージーランド航空の国内線ネットワークを2050年までに脱炭素化するために役立つ一方で、近い将来、持続可能な航空燃料(SAF: Sustainable Aviation Fuel)が長距離線航空機に重要な役割を果たしていくでしょう。

SAFは現行の航空機の燃料として使用できるドロップイン燃料であるため、航空会社が従来の航空機を運航しながら長距離線や国内線の二酸化炭素排出量を削減することが可能となります。SAFは、化石燃料に比べ、原料や製造工程も含めた航空機のライフサイクルCO2排出量を下げ、CO2を大幅に削減する可能性を秘めています。

Hiringa Energy社の最高責任者アンドリュー・クレネットは、今回の契約が、持続可能で再生可能なゼロエミッション燃料としての水素の開発を促進し、ニュージーランド航空だけでなくニュージーランドの国全体にも貢献できると述べています。

「ニュージーランド航空が世界の先頭に立ってゼロエミッション航空機に注目し、Hiringa Energyなどのニュージーランド企業を支援してグリーン水素供給の課題に取り組む姿勢は、ニュージーランドの人々にも歓迎されることでしょう」

 

提携航空機メーカーのコメント

 

Eviation

Eviation社の社長兼最高経営責任者(CEO)グレゴリー・デイビスは、次のように述べています。「EviationのAliceは、電気だけで飛ぶ世界初の実証済みコミューター航空機です。カーボンフリー、コストパフォーマンスの良さ、そして便利な航空輸送の新時代へと世界を牽引するでしょう」

「ニュージーランド航空がAliceを支持してくれることは大きな喜びです。これによりニュージーランド国内の多くの路線で二酸化炭素が削減されるでしょう。同航空のイノベーションとサステナビリティに対する意欲に敬意を表します。ゼロエミッション航空機『Alice』の美しい機体がニュージーランドの空を舞うことを楽しみにしています」

Beta

BETA社の設立者兼最高経営責任者(CEO)カイル・クラークは、次のように述べています。「ニュージーランド航空は昔からイノベーションを重視し、変化に向けて行動を起こしてきました。世界はこのようなリーダーが気候危機に対して今すぐ有意義な手を打つことを求めています。ニュージーランド航空はその名乗りを上げたのであり、当社もともにその実現を目指します」 

Cranfield Aerospace

「ニュージーランド航空のMission Next Genパートナーに選ばれたことを光栄に思います。ニュージーランド航空は持続可能性への取り組みにおいて業界ではよく知られた存在です。Cranfield Aerospaceはゼロエミッションのグリーン水素航空機の設計と製造を目指しており、両社の方向性はこれ以上ないほど合致していると言えます」

「ニュージーランド航空のチームと協力し、ゼロエミッション機を国内線に導入することで航空業界に変革を起こしたいと思います」

 

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詳細情報:

Eviation Aircraftについて

Eviation Aircraft社(本社:米国ワシントン州)は、コスト効率と利便性に優れた環境にやさしい地域輸送を実現し、航空会社と乗客の両方に喜ばれる電気航空機の開発と製造を目指しています。電気推進装置、高密度エネルギー電池、ミッション重視のエネルギー管理、革新的な機体は、当初から電気航空機を想定して設計されています。詳しくはwww.eviation.comをご覧ください。

Betaについて

BETA Technologies社は、電気航空機メーカーとして、環境にやさしく、安全で、効率的にモノや人を運ぶ新しい方法を提案します。そのために、電気だけで飛ぶネットゼロの航空機のほか、さまざまなEVに対応する全国的なマルチモードの充電インフラなど、電気輸送システムを構築しています。

当社は、製品の設計から市場参入まですべての事業において、安全性、シンプルさ、実用性を追求しています。チームは世界トップクラスの企業での経験を活かし、実践的かつ分野の壁を越えたアプローチで問題解決とイノベーションに取り組んでいます。航空機、工学、ミッションとのつながりを深く理解するため、BETA社のスタッフには会社負担で航空機の操縦資格を取得する機会が与えられています。

VoltAeroについて

VoltAero社は電気航空機をまったく新しいレベルへと進化させています。80年以上の技術経験を誇るVoltAero社は、独自の汎用航空機シリーズ「Cassio」を開発し、電気モードとハイブリッドモードで安全、静音、エコフレンドリーなフライトを実現します。

Cassio 1試験機は、Cassioハイブリッドパワートレインを実証するとともに、リスク縮小によって耐空証明およびVoltAeroの今後の実用機への応用に対応します。Cassioは、フランスのヌーヴェル・アキテーヌ地域のロシュフォール空港にある専用施設で組み立てられます。

Cranfieldについて

Cranfield Aerospace Solutions(CAeS)社は、ゼロエミッション航空機の設計と製造を最終的な目標としています。そのロードマップの第1段階が「Project Fresson」、つまり従来の化石燃料ではなく気体の水素で飛ぶ9人乗りのブリテン・ノーマンアイランダーです。この航空機は、水素燃料電池を使用した環境にやさしい旅客機として、世界で初めて完全な認証を取得する見込みです。最終的には排出ゼロの商用フライトを実現し、2026年に旅客機認証を取得します。

CAeS社は、33年以上の実績を誇る航空機メーカーです。従業員は100人を超え、航空機全体のコンセプト設計だけでなく、既存航空機の設計や製造に修正を加える各種の規制に適合した世界でも数少ない航空宇宙分野の中小企業です。CAeS社は、英国ベッドフォードシャーのクランフィールド空港に本社を置き、英国トップクラスの航空試験/研究施設を利用しています。

 

Hiringa Energyについて

Hiringa Energy社は、2017年に設立された水素エネルギー企業であり、輸送や工業生産において化石燃料に代わる環境にやさしい水素燃料とインフラの構築に特化しています。また、技術企業や輸送企業と協力し、多彩な水素燃料ソリューションを提案します。子会社であるHiringa Refuelling New Zealand社は、陸上輸送、航空、鉄道、海洋、運搬管理、オフハイウェイ、リモート利用など、複数の分野で環境にやさしい水素燃料の普及を促進し、障壁を取り除くため、大容量で利用しやすい水素充填ネットワークの全国展開に取り組んでいます。

本件は、2022年12月14日にニュージーランドで発表されている内容です。

 

 【ニュージーランド航空について】

ニュージーランド航空は、1940年に設立された国際航空会社です。ニュージーランド国内をはじめ、アジア太平洋を含む19ヶ国50都市以上への直行便を運航(20201月現在)し、スターアライアンスに加盟しています。日本からニュージーランドへ直行便を運航する唯一の航空会社であり、乗った瞬間からニュージーランドの自由さ、あたたかさを感じていただけるニュージーランド流のフレンドリーなおもてなしにご好評をいただいております。

ニュージーランド国内は、玄関口オークランドを中心に約20都市を結び、乗り継ぎも便利です。お客様に持続的にニュージーランド旅行を楽しんでいただくため、「ニュージーランドの人々への思いやり」「気候変動への本格的な取り組み」「循環型経済への推進」「持続可能なツーリズム」の4つの柱を指針として、さまざまな活動にも取り組んでいます。


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