ゼロエミッション航空機の開発に向けた野心的プログラムを発表

ニュージーランドにおけるゼロエミッション航空機技術を現実のものとするため、ニュージーランド航空は世界最先端を行く革新的な航空機開発企業と手を組むことになりました。
2022年11月4日

11月4日、ニュージーランド航空は次世代航空機「Mission Next Generation Aircraft」を発表しましたが、この開発促進プログラムでは2つの野心的目標を掲げています。

  1. 2026年から商業試験飛行を実施
  2. 2030年からQ300国内線航空機を、より持続可能な航空機(グリーン水素またはバッテリーハイブリッドシステム等)に交換開始

これらの目標は、2021年12月にニュージーランド航空が発表した製品要件仕様書(PRD: Product Requirements Document)に沿ったものとして、すでに30社以上の航空機開発企業から技術開発の指針となるアイデアや知見の提供を受けています。ニュージーランド航空は提携予定のパートナーと子細な交渉を進めつつ、年内には基本合意書を交わす見込みです。

ニュージーランド航空のCEOグレッグ・フォランは次のように述べ、より持続可能な航空機の導入においてニュージーランド航空が世界でも主導的な役割を果たしていきたいと語りました。

「ニュージーランド航空が掲げるサステナビリティの目標は非常に大胆なものです。従来のビジネスプロセスでは、目標達成のための必要な技術やインフラに対応することはできません。ゼロエミッション航空機の導入を推し進め、航空機開発者、イノベーター、インフラプロバイダーなどと協力して、現実的なオプションとなり得るような自信を持てる製品を開発していきたいと考えています」

「今後3年間は航空機や関連するインフラの構築、試験飛行、認証取得に注力していきます。そして2026年までには、ニュージーランド航空初のゼロエミッション航空機(貨物機または旅客機)によるニュージーランドでの初飛行を目標にしています」

「2026年以降は、次世代エンジン技術を搭載した航空機の飛行から得られる知見をもとに、グリーン水素やハイブリッドの長期的パートナーによる現在のQ300国内線機材に代わる航空機の開発が可能になるでしょう。私たちは今、前人未踏の分野に挑戦しています。ただ航空機を開発すればよいというだけではありません。商業飛行に必要なインフラや規制も併せて開発していく必要があるのです」

「野心的な目標だと思われるでしょう。しかし、野心こそがこの新しい技術を現実のものとするために必要なものなのです」

製品要件仕様書(PRD)にもあるように、ゼロエミッション航空機導入とそれを支えるインフラの整備を推し進める上で、ニュージーランドとニュージーランド航空は理想的な立場にあります。

「ニュージーランド航空は主にニュージーランド国内の短距離ルートを運航しており、またニュージーランド自体が電力の大部分を再生可能エネルギーによる発電でまかなっているため、ゼロエミッション航空機を採用するには理想的な環境と言えるのです」

「しかし、当社のみの取り組みでは実現できません。業界に係わる多くの方々が協力して初めて、最適解を見つけることができます。技術の開発は進んでいますが、ネットワーク全体に展開できる規模まで開発を進める必要があります。容易な挑戦ではありませんが、私たちはその実現にコミットしています」

ゼロエミッション航空機技術によりニュージーランド航空の国内線ネットワークは2050年までに脱炭素を達成しますが、近い将来持続可能な航空燃料(SAF: Sustainable Aviation Fuel)が重要な役割を果たしていくでしょう。

SAFは現行の航空機の燃料として使用できるドロップイン燃料であるため、航空会社が従来の航空機を運航しながら長距離フライトや国内線フライトの二酸化炭素排出量を削減することが可能となります。

本件は、2022年11月04日にニュージーランドで発表されている内容です。

 

 【ニュージーランド航空について】

ニュージーランド航空は、1940年に設立された国際航空会社です。ニュージーランド国内をはじめ、アジア太平洋を含む19ヶ国50都市以上への直行便を運航(2020年1月現在)し、スターアライアンスに加盟しています。日本からニュージーランドへ直行便を運航する唯一の航空会社でもあります。ニュージーランド国内は玄関口のオークランドを中心に約20都市を結び、また、全日空とのコードシェア便により、日本各地からの乗り継ぎも便利です。同社は、APEX Awardsの「ベストエアライン・イン・ザ・サウスパシフィック」(2022年)、AirlineRatings.comの「世界の安全な航空会社1位」(2022年)、同「エアライン・オブ・ザ・イヤー」(2014年以降6度受賞)、同「ベスト・プレミアム・エコノミー」(2014年から6年連続受賞)をはじめ、毎年数々の賞を受賞しており、安全性、定時性、サービスのクオリティ、環境への配慮など様々な面で高い評価を受けています。


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