科学的根拠に基づく野心的な排出削減目標を航空会社として世界で2番目に発表

ニュージーランド航空は、2030年までに炭素排出量を削減するという科学的根拠に基づく野心的な目標を設定し、「Flight NZ0」という新たな一歩を踏み出しました。
2022年8月4日

SBTi(科学的根拠に基づく目標イニシアティブ:Science Based Targets initiativeにより認定された中間目標では、2019年を基準として、2030年までに排出原単位を28.9%削減することが求められています。これは、この期間において絶対排出量を16.3%削減することに相当します。

SBTiによって認定された科学的根拠に基づく目標は、気候変動による最悪の事態を避けるため、企業が削減すべき温室効果ガス(GHG)排出量およびその削減速度を示すものです。科学的根拠のある目標を設定することで、企業は最新の気候科学に沿っていることを独立機関から評価してもらい、強固で信頼性のある二酸化炭素排出削減目標を設定することができます。

ニュージーランド航空のチーフ・オペレーショナル・インテグリティ&セイフティ・オフィサーであるデビッド・モーガンは、2050年までに二酸化炭素排出量ネットゼロを目指す航空会社にとって、この削減目標は2030年までに自分たちがどのような状態になっている必要があるかを示す重要なマイルストーンであるとし、次のように述べています。

「この中間目標は、現在の取り組みを推し進める原動力となっており、2050年のネットゼロ目標達成を成功に導いてくれるものと信じています」

 「SBTiによる認定は厳格なプロセスを経て行われます。今回、それを達成できたことをとても誇りに思っています。ニュージーランド航空のGHG排出量はSBTiにより詳細に至るまで審査され、その結果、正確な排出量基準値と科学的根拠に基づいた目標が設定されていることが確認されました」

「この目標を設定したことで、私たちには説明責任が伴います。そして、その目標を達成するためには、脱炭素ロードマップの実行が不可欠です。その中には、持続可能な航空燃料(SAF)、継続的な航空機の改良、運営効率化、ゼロエミッション航空機技術などが含まれます」

「私たちが特に注力しているのはSAFおよびゼロエミッション航空機技術の採用です。なぜなら、そこには2050年までに二酸化炭素排出量を約70%削減できる可能性があるからです。ニュージーランド国内のSAF生産工場の可能性を探るためニュージーランド政府とパートナーシップを組んだり、水素・電気・ハイブリッド航空機の開発を推し進めるため世界最先端のProduct Requirements Document(製品要件文書)を市場に出したりするなど、すでにいくつかの取り組みが始まっています。これらは二酸化炭素排出量を削減するための真の変化を推進する取り組みであり、ニュージーランド航空は可能な限り早期に実現できるよう全力を挙げています」

ニュージーランド航空の外部サステナビリティアドバイザリーパネルの議長、サー・ジョナサン・ポリットは、加速する気候変動への航空会社の対応を評価する上で乗客が注目すべきなのは目標設定の高さと信頼性の2つであるとし、次のように述べました。

「迅速かつ本格的な変化を遂げることが難しいセクターにおいて、ニュージーランド航空がこの科学的根拠に基づいた目標を設定し、誠実な姿勢を示していることは称賛に値します。2030年までに絶対排出量を16.3%削減することは達成可能ではありますが、決して簡単なことではありません。また、ニュージーランド航空がSBTi(および他のステークホルダー)に対する説明責任を受け入れる準備ができているということも重要な点です」

「世界が気候変動対策の緊急性への理解を深めるにつれ、すべての航空会社が同等の目標を設定し、それを必ず実現することが求められていくでしょう」

 

注釈

炭素原単位とは、有償トンキロ(RTK)あたりの温室効果ガス排出量のことを指します。RTKは、ニュージーランド航空が輸送する乗客と貨物の重量の単位です。

設定された目標により、ニュージーランド航空は使用するジェット燃料からの「Well to Wake(生産から航跡まで)」排出量に関連付けられる炭素原単位を削減することが求められます。これらは、ジェット燃料のライフサイクル全体の排出量であり、フライト中のジェット燃料の使用(スコープ1の排出と呼ばれる)による排出に加え、その燃料の抽出・生産・流通によって発生する排出(カテゴリー3、スコープ3の排出と呼ばれる)も含まれます。

ニュージーランド航空の目標は、世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準(Well Below 2℃)に抑えるための基準に沿っています。また、SBTiは航空業界に向けてさらに野心的な1.5℃を目指す方法論を開発しています。ニュージーランド航空は引き続きSBTiとともにこの方法論に取り組み、決まり次第1.5℃を目指す方法論を検証していく予定です。

ニュージーランド航空は、これからも毎年目標に向けた進捗状況を追跡し報告していきます。

 本件は、2022年8月4日にニュージーランドで発表されている内容です。

 

 【ニュージーランド航空について】

ニュージーランド航空は、1940年に設立された国際航空会社です。ニュージーランド国内をはじめ、アジア太平洋を含む19ヶ国50都市以上への直行便を運航(2020年1月現在)し、スターアライアンスに加盟しています。日本からニュージーランドへ直行便を運航する唯一の航空会社でもあります。ニュージーランド国内は玄関口のオークランドを中心に約20都市を結び、また、全日空とのコードシェア便により、日本各地からの乗り継ぎも便利です。同社は、AirlineRatings.comの「世界の安全な航空会社1位」(20221月)、同「エアライン・オブ・ザ・イヤー」(2014年以降6度目)、同「ベスト・プレミアム・エコノミー」(2014年から6年連続)や、2017年に新設されたトリップアドバイザー「トラベラーズチョイス™ 世界の人気エアライン」をはじめ、毎年数々の賞を受賞しており、安全性、定時性、サービスのクオリティ、環境への配慮など様々な面で高い評価を受けています。


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