文化も自然も満喫、ダニーデン(Dunedin)へ

南島南部の東海岸に位置するダニーデンは、オタゴ地方の中核都市。学生の街、エコツアーの基地、そしてスコットランドの影響を色濃く残す美しい街として、様々な表情をみせてくれます。

重厚な建物が立ち並ぶ「南海のエジンバラ」

ダニーデンは、人口12 万人ながら南島でクライストチャーチに次ぐ大きな街であり、国内でも5番目の規模を誇ります。 この街は、19世紀半ばにスコットランド自由教会の移民が開拓したことから、スコットランド文化の影響が強く、「スコットランド以外でもっともスコットランドらしい街」、「南海のエジンバラ」とも呼ばれます。

街にはタータンチェックの専門店があったり、スコットランドのハイランド地方の伝統文化を継承する「ダニーデン・ハイランドゲームス&フェスティバル」やケルト音楽のお祭りが開催されたりと、スコットランド文化をあちこちで感じることができます。
ダニーデンは、ビクトリアン様式の建物やエドワード様式の建物を国内一擁する街でもあります。これはスコットランド移民たちが19世紀後半から20世紀初頭まで続いた好景気にのって祖国の建築を再現し、エジンバラ同様に美しい街を作ろうと贅をつくしたことによるものです。

街の中心部は「オクタゴン」と呼ばれる八角形の広場になっており、荘厳な雰囲気を漂わせる市議会議事堂やセントポール大聖堂などの建造物が並びます。またここから歩いて5分ほどのダニーデン駅舎も一見の価値があります。黒い玄武岩をベースにオアマル産の白い石灰岩で装飾を施したフレミッシュ・ルネッサンス様式で、建物自体外観はもちろん、内部の床のタイルや天井まで繊細な装飾が施されています。そのほかにもファースト教会やノックスチャーチなど、たくさんの歴史的建造物がありますので、街を散歩しながら、探してみてはいかがでしょうか。

国内初の大学が置かれたアカデミックな都市

ダニーデンは教育の街としても有名です。市内中心部にあるオタゴ大学は、国内最古の歴史を誇る大学で、今も名門校として知られています。また男子高校のオタゴボーイズ・ハイスクールや女子高校のオタゴガールズ・ハイスクールも19世紀後半に創立された高校で、オタゴ大学とともに、歴史ある壮麗な校舎を誇ります。
これらの由緒ある学校がダニーデンに集中しているのは、当時のダニーデンの繁栄ぶりを伝えるものともいえるでしょう。

もちろん、そのほかの専門学校や大学も多いため、ダニーデンでは15~24歳の学生人口が市民全体の20%を占めています。また、留学先としても人気が高く、それぞれの学校が世界各地から留学生を受け入れていますので、国際的な雰囲気も感じられます。

ダニーデンはニュージーランド国歌の作詞者であるトーマス・ブラッケンほか、多くの作家を輩出しています。そのため、ユネスコの文化都市を認定するプロジェクト「創造都市ネットワーク」で、文学の街として認定されています。

エコツアーの聖地、オタゴ半島へ

自然の魅力と神秘を満喫できるエコツアーは、ニュージーランド各地で楽しめますが、ダニーデンのオタゴ半島ほどエコツアーが充実している場所はありません。ぜひ、好みのツアーを探してみてください。

代表的なものは、オタゴ半島の突端にあるロイヤル・アルバトロスのコロニー(営巣地)を見学するツアーです。ロイヤル・アルバトロスはアホウドリの一種で、両翼を広げると3m以上の大きさを誇ります。希少価値の高い鳥であるため、市街地の近くで営巣するケースは世界的にも珍しく、天敵である犬や猫、ポッサム、ネズミなどの哺乳動物から卵や雛を守るため、保護区が設置されています。崖の上から飛び立つアルバトロスの姿はまるで小型グライダーのよう。悠然と空を舞う姿や、ふわふわの羽毛がぬいぐるみを思わせる雛のかわいらしさに驚かされます。

このロイヤル・アルバトロスの保護区のそばでは、夜間、ブルーペンギンの見学ツアーも行われており、海から上陸するブルーペンギンの集団を眺めることができます。

また、希少価値の高いイエロー・アイド・ペンギンを見学できる「ペンギンプレイス」もあります。こちらは崖の斜面で営巣するペンギンたちを至近距離から眺めるツアーです。ペンギンたちにストレスを与えないよう、ペンギンからは見えない場所に観察所が設置されていますので、その近さと、愛らしい動作に感動すること間違いなしです。

さらに、オタゴ半島のビーチにおりて、ペンギンやオットセイ、シーライオンを観察するツアー、ボートで海に出てオタゴ半島周辺の海鳥を観察するツアーなどもあります。可愛らしい動物や鳥たちと出会う、ダニーデンならではの体験を満喫しましょう。

特典いっぱいの工場見学に出かけよう

ダニーデンの市内観光の定番となっているのが、キャドバリーチョコレートの工場見学とスパイツ・ビールの醸造所見学です。どちらの工場もオクタゴンから徒歩5分程度の場所にあり、1日に何回もツアーを行っていますので、気軽に参加ができます。

キャドバリーの工場は、ガイドの説明を受けながら各種チョコレートの製造工程を見学します。途中で何回も試食のチャンスがあり、お土産用のチョコレートも配布されますので、お楽しみに。ツアーの最後には、巨大タワーの中に入り、上空のタンクがひっくり返って大量のチョコレートが降ってくる様子を見学できます。

ダニーデンで1876年に創業したスパイツ・ビールの醸造所では、ダニーデンとビール造りの歴史、そして現在のビール造りの流れが説明されます。ツアーの最後には醸造所の1階にあるパブで、6種類のビールと3種類のサイダーを何杯でも試飲できますので、こちらもお楽しみに。

また、ダニーデン市内にあるボールドウィン・ストリートは世界一急な坂道としてギネスブックにも登録されています。最も勾配が厳しい場所は35%(傾斜角19度)で、歩いて上るとその傾斜のすさまじさに驚かされます。ユニークな写真が撮れますので、ぜひ歩いてみてください。

ダニーデンからのショートトリップ

ダニーデン近郊にも見どころはたくさんあります。まず、おすすめしたいのが、ダニーデンから車で約2時間の距離にあるオアマルです。19世紀後半にイギリスとの貿易で栄えた街で、この街の近郊で採れる石灰石「オアマルストーン」は品質が高いことから、国内各地の建築物にも使われました。街のメインストリートには、当時の栄華を伝える真っ白な建築物が並んでいて壮観です。古い倉庫を活かしたショップやカフェ、SFのジャンルのひとつである「スチームパンク」のミュージアムもあり、街のそばにはブルーペンギンが観察できる「ブルーペンギン・コロニー」もあって、見どころは尽きません。

また、ダニーデンとオアマルの間にある海辺の景勝地がモエラキ・ボルダーズです。 砂浜に直径1mほどのまんまるい球形の岩が並ぶ様子は、なんとも不思議な雰囲気で、ユニークな写真が撮れるスポットとして人気があります。これらの岩は、海底に沈んだ化石や骨などに鉱物の結晶が付着して、何千万年もの間に丸く大きく成長したものと言われています。

ダニーデンから南島最南部の海岸、ケトリンズ・コーストに向かうツアーも人気があります。この海岸線には、化石化した樹木が浅瀬でみられる「キュリオベイ」や奇岩が並ぶ岬「ナゲット・ポイント」など、様々な景勝地やハイキングコースがあります。運が良ければビーチでシーライオンやオットセイも観察できるため、カメラの充電をお忘れなく。

また、ダニーデン駅から列車に乗って内陸部のタイエリ峡谷を目指す日帰りツアーも人気です。

ダニーデンの情報サイト

ニュージーランド政府観光局 ダニーデン
http://www.newzealand.com/jp/dunedin-coastal-otago/

ダニーデン地方観光局
http://www.dunedinnz.com/(英語サイト)